産後巻き肩の改善

妊娠すると出産時に産道を確保する目的で骨盤を開きやすくするためのじん帯を柔らかくするホルモンが出増え始め、出産時にピークを迎えますが、徐々に減ってきますが出産後も約半年で続けます。出産後も授乳や抱っこおむつ替えなど肩を内側にまるめる姿勢が多い生活習慣は出産後もゆがみ助長し巻き肩の状態を固めてしまいます。

正しい姿勢は横から見たときに足首腰耳の下が正常です。妊娠中おなかが大きくなることにより骨盤そのものが前方にずれていきます。本来足や骨盤、背骨で支えるべき体重が腰や背中に過度にかかる状態が慢性化し必然的に肩が内側にねじれ巻き肩になります。

筋肉の役割はカラダを滑らかに動かすことにより、正しい位置にいることにより適切な効果をもたらします。巻き肩の状態は様々な筋肉に支障をきたし、肩関節や背骨の歪みだけでなく症状をもたらします。

背中には背骨の両脇に横に沿って菱形筋という肩甲骨とつながった筋肉があり背骨と協力して巻き肩を防ぐ筋肉として存在しています。しかし巻き肩になるとこの筋肉が伸びきった状態が続いてしまし本来の役割をはたしていません。筋肉は延ばされた状態固まってしまうため血行不良を引き起こし背中の痛みやだるさを起こす場合も多くあります。本来正しい位置にあるべき肩の骨が前に巻き込まれる状態になります。

首には4キロを超える頭の重さをささえる為に前後左右様々な筋肉により支えられています。巻き肩になると間接的に頭が首の骨で支えられない状態になり、斜角筋、後頭下筋群、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋などが緊張う状態になり肩こりや首コリ、頭痛などの症状がでます。

巻き肩によりカラダの前面は縮こまった状態になります。大胸筋や小胸筋、上腕二頭筋などが常に緊張した状態で固まってしまします。バストダウンや肩から腕の骨を内側に捻じれてしまいます。

ゆがみのない正しい位置にある骨格は、筋肉や関節の負担を最小限にとどめます。立ったり座ったりカラダが動いていないときや、抱っこや、沐浴など様々な動作をするにあたり無駄な力を使わずに楽な生活ができます。

首の骨（ケイツイといいます）は巻き肩になると連動して本来かるく反る首の骨(頸椎といいます）が逆に丸まってしまいます。横からみると頭が前に出ている状態、いわゆるストレートネックです。

背中の骨（胸椎（キョウツイ）といいます）は軽く丸まっている状態が正常ですが巻き肩は過度に丸まってしまいます。連動して肋骨が下を向いてしまい内臓の圧迫特に肺の動きつまり呼吸が浅くなってしまいます。

肩甲骨は背中の脇に対にある骨です。巻き肩になるとこの肩甲骨がそれぞれ背骨から離れてしまいの本来の機能が発揮できません。肩甲骨につながっている鎖骨や腕の骨にも悪影響を及ぼします。

神経は痛みやだるさの感覚や筋肉を動かす指令は脳から背骨を通過して内臓と筋肉につながっています。巻き肩になるとこの神経伝達力が低下し、脳からの電気信号が弱くなることによりカラダの不調を引き起こします。

自律神経とは無意識につまり自分の意思に関係なく自動的にカラダの機能を動かす指令を出す神経です。心臓や血管、胃や腸など反射的な神経です。巻き肩によりこの自律神経の反応が低下すると内臓の動きや呼吸や血液の流れの調整力が低下します。

巻き肩で丸まった背骨からは左右に手や内臓に伸びています。巻き肩で背骨が正常な位置にないことにより、神経が圧迫され感覚神経や運動神経の伝達が低下します。

神経の伝達において背骨の柔軟性はとても重要です。巻き肩で動きの悪くなった骨格は日常生活の動きのなかで柔軟に伸び縮みできずカラダのパフォーマンスが低下します。

産後の巻き肩を自分で改善する方法をあげます。縮んだ筋肉はストレッチで伸ばし、伸び切った筋肉は鍛え、肩回りの関節を正しい位置でキープできるようにしましょう。

肩を大きく回します。肩甲骨を意識します特に肩を後ろに回した状態、肩甲骨を引き寄せさらに下におろすときに最大限の力をいれると筋トレにもなります。肩

産後の巻き肩には歪みや痛みやしびれ等の引き金となるトリガーポイントという筋肉の硬結部（固くなった部分）に刺激を入れていくテクニックを使います。

近年、筋肉の特徴として硬くなったシコリが「引き金」となり近辺や離れた場所ににだるさ、歪み、痛み、痺れなどさまざまな症状を飛ばすことがわかってきました。たとえば「骨盤に歪み」がある場合、腰の筋肉だけでなく歪みの「引き金」と推測されるお尻の筋肉にも並行して施術することにより改善効果が高まるのです。

トリガーは「引き金」、ポイントは「箇所」と訳します。この「引き金の箇所」を触診でとらえ、この箇所に独自のアプローチ方法を駆使することにより、より高い効果のある施術を行い産後の巻き肩を矯正します。

産後の巻き肩には一般的なストレッチのようなだだ筋肉や関節を伸ばすのではなく、筋肉に刺激をいれたり意図的に脱力させながら複合的に首と肩関節や背中周辺の筋肉を調整していきます。

施術技術の一つとして人間の本来持っている反射反応を利用したPNFというテクニックを用います。（正しく訳すと「固有受容性神経筋促通法」といいます）　

このような高度なストレッチ技術を用いて、自分自身では動かしきれない関節の可動域を広げていき、肩関節や背骨を正しくスムーズに動けるように調整していきます。